あの空の音を、君に。



あれは、中学3年生のときだった。


里麻に彼氏ができた。


今まで告白されてもいい返事をしなかった里麻だから、それを聞いたときはびっくりした。


そのとき、里麻は言ったんだ。



「涼(すず)といれる時間が少なくなっちゃうけど……いい?」



私はその言葉をきいて、即答した。

私に否定する権利なんてなかったから。


でも、里麻が隣にいなくなった日、私は気づいた。




里麻がいない世界は、こんなにも狭いんだ。


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