あの空の音を、君に。



「鳥肌って――。そう言ってもらえると嬉しいな」



言葉の通り、嬉しそうにはにかむ伊月。

ほんのり頬が桃色に染まっていた。



「あれだけ吹けるんなら高校でも続ければよかったのに」

「いや、俺はあれが限界なんだよ」

「何限界なんて言ってんのーっ」



ポンっと伊月の肩を叩いた。



見た目はすらっとした体だけど、肩は意外と男の子らしくがっちりしていた。


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