あの空の音を、君に。
第2章 真実
雨
空を眺めていると、気持ちが落ち着く。
でも、今日はそんなに落ち着かない。
それは、いつもとちがって曇り空だから。
授業中に空を眺めるなんて、最近の私にしてみれば当たり前。
だって、雨の日は、伊月と一緒にお昼ご飯を食べられないから。
今日みたいな雨が降りそうで降らなさそうな日は別だけど。
今日は伊月、屋上にいるかな。
いてほしいな。
伊月がいないと、地味に私、昼休み1人なんだよね。
どんだけ友達少ないの、って自分でも思う。
クラスの子とうまくいってないわけじゃない。
ちゃんと相手の目を見て話すことだって、笑い合うことだってできる。
でもやっぱり、伊月といる方が楽しく思うんだ。