あの空の音を、君に。
第2章 真実




空を眺めていると、気持ちが落ち着く。


でも、今日はそんなに落ち着かない。


それは、いつもとちがって曇り空だから。



授業中に空を眺めるなんて、最近の私にしてみれば当たり前。


だって、雨の日は、伊月と一緒にお昼ご飯を食べられないから。

今日みたいな雨が降りそうで降らなさそうな日は別だけど。



今日は伊月、屋上にいるかな。

いてほしいな。

伊月がいないと、地味に私、昼休み1人なんだよね。


どんだけ友達少ないの、って自分でも思う。



クラスの子とうまくいってないわけじゃない。


ちゃんと相手の目を見て話すことだって、笑い合うことだってできる。



でもやっぱり、伊月といる方が楽しく思うんだ。




< 61 / 315 >

この作品をシェア

pagetop