あの空の音を、君に。



「――伊…月……」



手だけでなく、声まで震えてきた。


あの日の恐怖が私に襲いかかってくる。



「伊月も――私の前から……」




唇が震える。


もうすでに、震えは止められない状態に達していた。





「私の前から――消えてしまうの……?」





そのとき、空から神様が怒っているような雷が聞こえた。



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