あの空の音を、君に。



私は急いでまだ半分も食べていないお弁当を片付けた。



伊月が何を思っているのか、何を考えているのかなんてわからない。


そんなの、考える余裕もなかった。



すべてを片づけ終えた私は、よろける足を軸に立ち上がった。





立ち上がった瞬間、今まで我慢していたかのように、雨が激しく降り始めた。



雨が、私たちを濡らしていった。



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