あの空の音を、君に。
今日もまた、里麻は輝いていた。
お弁当の中身も、これぞ手作りというおかずがたくさん詰められていた。
冷凍食品を里麻のお弁当の中に見たことがない。
「涼のそれおいしそー」
チキンナゲットを口に運ぼうとしたときだった。
箸でそれをつかんだまま、「これ?」と首を傾げると、「うん!」と元気よく即答された。
どこにでも売っている冷凍食品だ。
やっぱり、里麻は冷凍食品をあまり食べたことがないのかも。
チキンナゲットは私の口へではなく、里麻のお弁当箱の中に移動された。
「ありがとー涼」
「ううん」
里麻はそういうと、私のお弁当の中に、里麻のお母さん特製のかぼちゃの煮物を突っ込んだ。
そういや、里麻は、かぼちゃが嫌いだった。