あの空の音を、君に。



「俺ら、同級生じゃん」


そう言って、もっていたメロンパンにかぶりついている。



「や、でも、初めて会ったんで」


本当のことを言うと、目の前の男子が同級生だった事を始めて知った。

っていうか、なんで私が同級生ってこと知ってるの?


私はメロンパンにかぶりついている男子をまじまじと見る。


私たちの学年に、こんな人がいるんだ――。



優しそうな目、風が吹くとさらさらと動く細い髪の毛。


モテるんだろうな。


それが、彼に対する私の第一印象だった。


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