あの空の音を、君に。



「かっこいいのはわかってるんだよね。性格は?」



聞き間違いだと思った。


正気か? と不安になり、里麻の顔を見た。



里麻の顔は、希望に満ちていた。

明るい茶色の瞳はキラキラと輝き、私をじっと見つめていた。



「普通に……いい人だけど」

「優しい? 明るい?」

「うん」



私の返事に里麻の顔がさらに明るくなった。




ちょっと待て。



「里麻、伊月のこと気になってんの?」


「ほんのちょっとだけね」



答えまでに数秒の沈黙があった。



マジか。


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