あの空の音を、君に。



そんな私の気配に気づいたのだろう。


里麻は慌て首を横に振った。



「でもね、友達としてだから。だって、里麻には彼氏いるし」



里麻は自分のことを下の名前で呼ぶ。

それも、男子がひきつけられる魅力なのかもしれない。



「わかってるよ。里麻が二股なんてかけるわけないから」


「そーだよ。そんなの、趣味じゃない」



里麻はそういってお弁当のデザートのイチゴを口に入れた。


< 92 / 315 >

この作品をシェア

pagetop