あの空の音を、君に。



「さきに話しかけてきたのはあっちなの。『よっ』って。里麻も笑った。そこから、海(かい)も入って3人で話してったんだけど――」



海――。


誰だっけ? と心の中で一瞬さまよったものの、すぐに里麻の彼氏の名前だという事を思い出した。



「海も伊月くんもサッカー部で一緒だから、話ははずんでた。で、伊月くんの家の方向が違うから、そこで別れたんだけど――」



里麻がそこまで言って少しだけ震えた。


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