好き…だけどつらいよ…



ギィ─────



扉を開けると一気に
秋の涼しさにかこまれる。


「んで?話ってなんだった?」


「あー。うん、昨日のこと」




……やっぱりか。



なんとなく予感はしてた。



「昨日のこと?もう山里くんとは
終わっただけだよ?
そのほかになんもないし!」

わたしは一人、屋上を歩いて
フェンスに指をかけて景色をみわたす…


「なんもないならさ。

なんでそんな悲しい顔になんの?


なんで昨日別れるとき…
あんな辛い顔してたの?」


わたしのそばにきて
景色をみていたわたしを横から見つめる。




「…別に……あれはカッとなっただけ」

「今は?」


今、は……

< 108 / 174 >

この作品をシェア

pagetop