好き…だけどつらいよ…



一学期のくくりである
終業式がおわる。



あーぁ。

せっかく少しだけど山里くんと
仲良くなれた気がしたのに…。



夏休みにはいって
二学期が来たら振り出しに
戻ってしまうような気がする。

「若菜ぁ… 」

「ふふっ……あ、」

ん?

わたしが若菜に抱きつこうと
したとき、若菜の目線は
わたしの後ろに向いていた。


「なに……え、」

振り返ると
思いもよらない人がいた。



「山里くん?」








「よ。花園。なぁなぁ、
メアド教えてくんねぇ?」

っ!!

「あっ、うん!!いいよ」

やったぁ…


ずっと聞きたかったけど…

勇気がなかったんだよね…。




そうしてわたしは
赤外線で山里くんと交換した。


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