禍津姫戦記
「逃げたものはまだ童子だとか」
ハバキの目がけわしくなった。
「何が云いたい。姫夜がそれだというのか?」
「そうでないとは云いきれませぬ」
ハバキはむっつりと考え込んだ。
「密使が戻るのにかかった日数を入れても、数が合わぬ。姫夜はどうやってこのカツラギまできたのだ。翼が生えて飛んできたというのか」
「たしかにあやつは、馬もろくに乗りこなせぬような足弱だったな」
ハバキの目がけわしくなった。
「何が云いたい。姫夜がそれだというのか?」
「そうでないとは云いきれませぬ」
ハバキはむっつりと考え込んだ。
「密使が戻るのにかかった日数を入れても、数が合わぬ。姫夜はどうやってこのカツラギまできたのだ。翼が生えて飛んできたというのか」
「たしかにあやつは、馬もろくに乗りこなせぬような足弱だったな」