禍津姫戦記
 カリハが首をひねった。

「ですが、滅多にない美童であるのも確かです。キビの王は稀代の美童好き。夜伽の相手だけでなく、戦さ場にまでともない、身の回りの世話をさせているともっぱらの評判にございます。万が一、キビの間者であったとしたら――」

「ではたずねるが、クラト。おまえなら、あれに刺客を任せるか?」

「むう。そ、それは……」
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