禍津姫戦記
折しも山間に沈んでゆく金色の夕映えの光が、男の姿をくっきりと浮かびあがらせた。
男が身にまとっているのは白銀のさねをつないだ、精巧な鎧であった。
どっぷりと血に染まってはいるが、傷はなく、返り血らしい。
男は怖ろしく背が高かった。優に六尺近くある。異形といっていいほどだ。
鎧の下には無駄をそぎ落とした筋肉が、はりつめている。もし姫夜が不審な動きを見せればその剣はただちに一撃で獲物の首をはねとばすだろう。その鎧といい、荒々しさのなかに見える気高さといい、この男が雑兵でないのは確かだ。
男が身にまとっているのは白銀のさねをつないだ、精巧な鎧であった。
どっぷりと血に染まってはいるが、傷はなく、返り血らしい。
男は怖ろしく背が高かった。優に六尺近くある。異形といっていいほどだ。
鎧の下には無駄をそぎ落とした筋肉が、はりつめている。もし姫夜が不審な動きを見せればその剣はただちに一撃で獲物の首をはねとばすだろう。その鎧といい、荒々しさのなかに見える気高さといい、この男が雑兵でないのは確かだ。