禍津姫戦記
 クラトもカリハも驚いたようにハバキを見た。

「その黄金の噂は、もう広まっているか」

「いえ、まだにございます……しかし」

 ハバキは手で制した。

「俺に考えがある。しかるべき時を見て、姫夜のことは正式に披露目をする。それまで黄金のことを知るものと、あの老人のたわごとを聞いたものたちに口止めをしておけ。欲に目のくらむものが出てこぬとも限らぬからな」
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