禍津姫戦記
「――かしこまりました」

 クラトは頭を下げたが、カリハはまだ不服気だった。

「おれにはとんだ火種を抱え込んだように思えるがな。念のため、しばらく見張りをつけるべきではないか」

「見張りなら俺がする。誰がするより確かだろう。それともこの俺が精を吸い取られ、腑抜けになるとでも思うか」
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