禍津姫戦記
 ぎょろりと目玉の大きな藤ノ森の佐古田はイスルギの腹違いの弟で、ハバキの叔父にあたる。五十を超えて、頭を坊主に剃り、太って太鼓腹になりつつあるが、かつてはイスルギといっしょに戦った仲間でもある。
 ハバキは幼いころからこの二人の背中を見て育ち、おのれもいつか彼らのような戦士になるのだと思っていた。
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