禍津姫戦記
「応」

 長たちはそれぞれに厳しい面持ちでうなづいた。

「トウノミネの長は遅いな」

 ハバキが低い声で云うと、佐古田は咳払いした。

「トウノミネの長も高齢ゆえに、安日(アビ)姫が来ることになっておる」

「ハバキどの」

 室生の八束は射るような視線をハバキにむけた。
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