禍津姫戦記
 安日はじっとハバキの精悍な横顔を見つめていたが、それで気がすんだのか、さばさばとした口調で云った。

「久しぶりに話せてよかった。次はいくさ場で会おう」

 ハバキはうなづいた。安日はにっと赤い唇をほころばせると、踵を返し、闇の中をざくざくと土を踏んで館の明かりのほうへと戻っていった。
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