禍津姫戦記
敵襲の恐れ有りとの村人からの知らせを受けて、兵二百が慌ただしく逆茂木(さかもぎ)を巡らせた柵(き)のうちに集まったのが、明け方。
ところが柵が閉じたとたん、火矢が雨のようにいかけられた。しかも弓を手にしているのは、当の水ノ江の村人たちだった。あまりのことに混乱し士気を失った兵士たちは、あっという間に降伏したというのだ。
「降伏というても襲ってきたは村人たちなのであろう? それは敵襲とは云わぬ」
ところが柵が閉じたとたん、火矢が雨のようにいかけられた。しかも弓を手にしているのは、当の水ノ江の村人たちだった。あまりのことに混乱し士気を失った兵士たちは、あっという間に降伏したというのだ。
「降伏というても襲ってきたは村人たちなのであろう? それは敵襲とは云わぬ」