禍津姫戦記
 だが、姫夜の声は悲痛な叫びに変わった。

「もう間にあわぬ――!」

 ぐらりと岩が動き、怖ろしい地響きを立てて台座から落ちた。
 どろどろどろ――
 地の底から不気味な耳鳴りのような音がし、大地が揺れ始めた。

「やったぞ。これでおれたちもミシルシを頂ける。ここにはもう用はない」
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