禍津姫戦記
 男たちは肩で荒い息をしながら、ばらばらと逃げるようにかけ出した。

「姫夜、俺たちも山をおりよう」

「クニツカミの怒りに大地が啼いている。ハバキはヤギラをつれてゆけ。わたしは残る」

「おまえを置いてゆけるか!」

 ハバキが怒鳴りかえしたとき――
< 188 / 647 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop