禍津姫戦記
男たちは肩で荒い息をしながら、ばらばらと逃げるようにかけ出した。
「姫夜、俺たちも山をおりよう」
「クニツカミの怒りに大地が啼いている。ハバキはヤギラをつれてゆけ。わたしは残る」
「おまえを置いてゆけるか!」
ハバキが怒鳴りかえしたとき――
「姫夜、俺たちも山をおりよう」
「クニツカミの怒りに大地が啼いている。ハバキはヤギラをつれてゆけ。わたしは残る」
「おまえを置いてゆけるか!」
ハバキが怒鳴りかえしたとき――