禍津姫戦記
「この揺れは何だ。いったい何が始まろうとしている」

 姫夜は色をうしなったくちびるを震わせ、つぶやいた。

「村を泥沼に沈めると云われた。わたしには止められぬ。水ノ江の長に知らせ――ああっ」

 ゴゴゴ……と大地が揺れ、ハバキたちのあしもとが割れた!

「危ない、のみこまれるぞ!」
「うわああっ」
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