禍津姫戦記
(なんということだ。モモソヒメは火だけでなく水までも操るというのか。もう一日、いや半日でも早く、このことに気づいていれば――)

 姫夜はハバキのそばに寄り、ひくい声でささやいた。

「ハバキ、わたしはこれから神殿へ行く」

「神殿? まだ楼しかできておらぬぞ」
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