禍津姫戦記
 蛇はちろちろと長い舌を出しながら、ふたたび姫夜に目をむけた。姫夜と蛇神のまなざしが絡み合い、ハバキの目の前で結界の光がゆらめきだした。

(神封じ――いったい、姫夜はなにをするのだ?)

 ――時が移る。言霊を。

 姫夜がちらとハバキを振り返った。

「ハバキ、ここから先は眠ってくれ」
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