禍津姫戦記
「なぜ——」

 ハバキが云いいけたとき、姫夜の指がかろく額に触れた。
 まぶたが重くなり、ハバキは抗って必死に目を見開こうとした。目もくらむような白い光のなかで、姫夜が蛇神にむかって手をのばし、抱き合うのが見えた。ハバキは声をあげようとして、気を失った。
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