禍津姫戦記
「……ハバキにも、蛇神の云うことがすべて聞こえたのだな?」

「ああ、はっきりとな。おそらく、このひれのおかげだろう」

「これから、どうする」

 その声からはけだるさが消えて、苦渋がにじんでいた。
 それはあの村が水底に沈んでから、ハバキもずっと考えていたことだった。ハバキは顔をしかめて腕組みした。
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