禍津姫戦記
 姫夜は長いぬばたまの髪にふちどられた顔を曇らせ、深いため息をついた。

「……そうするしかないと、わたしも思っていた」

 ハバキはじっと姫夜をみつめた。
 この器は美しい、と蛇神はいった。このほっそりしたからだのどこに蛇神は潜んでいるのか。八百万といわれるクニツカミを封じたとき、器としての姫夜はどうなるのだろう。
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