禍津姫戦記
「愚かしいにも程がある。どこに敵の兵がひそんでいるかわからぬのだぞ。小さ刀さえ振るうことのできぬそなたが、どうやって一人で旅するつもりだ」

 姫夜はたじろいだが、必死にいいかえした。

「そなたに迷惑はかけられぬ」

「誰が迷惑だと云った!」

 ハバキは姫夜の襟首をつかんだ。

「大人びているように見えてもやはり子どもだな。もうひとつ大事なことを教えておこう。モモソヒメはそなたの首に黄金を掛けたぞ」
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