禍津姫戦記
 那智が山のような衣裳を両手に捧げ持って入ってきた。

「カリハどの、随分とのんびりしておられるようだがよろしいのですか。カツラギ王の右腕として、将となるのはあなたなのですよ」

「おれはみなの前で王から剣を受けとり、将として幾久しくつかえることを誓えばいいのだろう。子どもでも出来るわ」

「それだけではないぞ。この儀式が済んだら、すぐにも五つの里から集まった若者たちの鍛錬を始め、いくつかの軍勢にあらたに編成しなおさなければならん」
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