禍津姫戦記
「小隊の長を誰にするか、おまえと相談せねばならぬのだったな」

 カリハも真剣な顔になった。一人一人の性格や向き不向きを見極め、編成するのは戦さの前の大仕事だった。

「カリハ、血生臭い話は外でするとしよう」

「姫夜には聞かせられぬか? おかしいな。どうもおまえは姫夜に甘い」

「いいから来い」

 二人は悪童のように小突き合いながら出ていった。
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