禍津姫戦記
 姫夜は赤くなった。酒を欲するようになったのは蛇神を封じてからだ。人がどんなに愉しげに飲んでいても羨ましいと思ったことはなかったのに、今では匂いをかいだだけで目まいがし、杯を奪い取って食らいつくしたいような気持ちに駆られるのだ。カツラギはよい米がとれ、酒もうまかった。

「ではのちほどお持ちいたしましょう。さあお立ちになってください」
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