禍津姫戦記
「よくお似合いです。おぐしにも月と星を飾りましょう。これなら誰もが水の女神その人が降臨したと思うでしょう」

 果たしてもう、あの兄と会う日はこないのだろうか――と姫夜は鏡に映る姿に、兄のおもかげを重ねながら心のうちで思った。
 新しいクニの神司となるといったら、兄はどう思うだろう。立派になったと喜んでくれるだろうか。
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