禍津姫戦記
 神殿完成の儀式は夏至の日に、華やかに執り行われた。集まった民はまず、その神殿の巨大なことに度肝を抜かれた。まずもってみな、このような天空にそびえ立つ高楼を見たことがなかった。これなら神々も一目で自分の降りるべき場所を見分けることができるだろうと誰もが思った。
 その高楼にハバキが姿を現すと、人々は大きな歓声をあげた。
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