禍津姫戦記
 ハバキは、白銀の鎧をまとって、碧玉を飾った白いかぶとをかかえ、長剣を腰にはいていた。その異形にも等しい長身は、まさしくカツラギを守る美しい戦さ神として人の眼にうつった。
 あたりが青い闇に包まれると、一斉に松明に火が灯され、闇のなかに立ち並ぶ神殿の白い柱が、燃え立つように浮かび上がった。
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