禍津姫戦記
 二人が人々からよく見えるよう、そのまま手すりのそばまで進み出ると、さらに大きな歓声がわき起こった。

「カツラギ王、万歳!」

「千代に栄えあれ」

「千秋万歳」

 ハバキは群衆にむかって高く手をあげ、笑顔をみせた。

「心配はいらぬと云っただろう。さあ、言祝ぎを」
< 261 / 647 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop