禍津姫戦記
「みなのもの、滅多とない機会じゃ。このさい、申し上げたいことがあれば直々に申しあげるがよい」

 佐古田がうながすと、若者組の頭が這いつくばるようにして、ハバキと姫夜の前に出た。
 歳はそれほどハバキと変わらない。太い眉にぎょろりとした目のカヅノという若者は、顔を真っ赤にして、怒鳴るように云った。
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