禍津姫戦記
「ちょうどよかった。尋ねたいことがあるのだ。ハバキのことだが、佐古田どのの館でなにかあったのか」

 声をひそめてたずねられ、姫夜はたじろいだ。

「なにか、と云われても」

「なんだか殺気立っていると思ってな。もしかして佐古田どのに、その……気に染まぬ、女でも押しつけられたのはないかと」

「ああ、そんなことか」

 姫夜は思わず微笑した。
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