禍津姫戦記
 カリハは不満たらたらといった調子で続けた。

「ハバキはくそ忙しくて目にとまりようもない。まったく、あいつもああ女好きのするように見えて、戦さとなるとまるで戦さのことしか頭になくなってしまう男だからな」

「そう……だったのか」

 なんとはなしに胸を突かれたように姫夜はつぶやいた。

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