禍津姫戦記
「またぞろ彼奴らが攻め入ってこぬうちに、なんとか話を固めたいのだ。
 そなたからもそれとなく、心当たりの女子がいないのか、たずねてみてくれぬか。むろん正妃になどとは望んでいるわけではないぞ。そんなものはいずれ、よそのクニの姫を鳴り物入りで迎えにゆくことになるのだろう。
 だからたくさんいる女(め)の一人でかまわぬのだ。アゲハは気だてもいいし体も丈夫だ。多少気が強いところがあるが、なに、あいつならすこしぐらいのじゃじゃ馬でも乗りこなすからな」
< 351 / 647 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop