禍津姫戦記
「お前には兄がいるのだったな」

 淡々とハバキはたずねた。

「占を立てているのだろう。神はこたえてはくれぬのか」

「神は……すべてをこたえてくださるとは……限らぬ。おそらくわたしが知るべきでないことは……」

 かく、と姫夜のからだが前に揺れた。ハバキはとっさに抱きとめた。
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