禍津姫戦記
「ならば問いを変える。モモソヒメが姫夜を狙うのはなぜだ」

 姫夜は座しているハバキを尊大な目つきで見下ろした。

「おまえに教えなんだか? 人の身でおのれを器として神を封じられるものはそう多くはいない。封じても大抵はその大きさに耐えきれぬ。
 西の姫も同じ力を持っている。強大だが老いつつある器と、若くやわらかき器。
 西の姫が新たな器を欲するのも道理ではないか」
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