禍津姫戦記
「だがそなたの逢うたことで、この器も変わりつつある。
 闇が光にこがれるように、そなたの燃え上がるような白い命に憧れているのだ。
 ――そなた《気》を、命をこの器に注げ。触れただけでこの身が焦がれそうな、天の火を……」

 姫夜はかすれた声でささやき、手をのばして、恍惚とハバキの逞しい肩から腕に手をすべらせた。
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