禍津姫戦記
燃え立つような緋色の舞衣をまとった姫夜が姿をあらわすと、どよめきが起こった。足結いの鈴がすずやかな音を立てる。長い黒髪は背中に垂らしたままだ。
姫夜は長いまつげをふせたまま、まっすぐに進みでると見えぬカミにむかって拝(おろが)み、ゆっくりと左に複雑な足使いで回って、四つの方角を守る神を嘉し、かつ四方を清めた。
姫夜は長いまつげをふせたまま、まっすぐに進みでると見えぬカミにむかって拝(おろが)み、ゆっくりと左に複雑な足使いで回って、四つの方角を守る神を嘉し、かつ四方を清めた。