禍津姫戦記
「まことに眼福。かくも麗しきものなれば女神が好んで降りられるのもわかり申すな」

 八つ手が酒臭い息でささやいた。ハバキは黙って姫夜をみつめた。初めて館に来た日、舞ったときに比べると、姫夜は堂々として大きく見えた。
 清めが終わると、姫夜は舞殿の中央にいったんひれ伏した。ゆっくりと立ち上がり、扇を手に舞い始めた。
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