禍津姫戦記
「これがワザヲギのわざだったのか――」
 火の粉をあびながら憑かれたように踊る村人たちを見つめ、那智が唖然とした声で云った。踊りの輪は神殿の庭をゆるがし、火は柱となって天を焦がした。
 ハバキも、クラトも、八つ手までもが呆けたように、額に汗を光らせて踊る姫夜と村人たちとを見つめていた。
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