禍津姫戦記
  *

「姫夜、――姫夜? いないのか」

 ハバキは後ろ手に薔薇(そうび)の花束を隠して、姫夜の部屋をのぞきこんだ。
 だが部屋には誰もいない。

(まさか姫夜が一夜の相手をみつけて――?)

 ハバキは苦笑した。そんなはずがない。
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