禍津姫戦記
 ハバキはこの前姫夜を連れて行った出で湯を思い出した。

(行ってみるか)

 出で湯まではそう遠くはない。薔薇の花束を帯にさしこみ、たいまつから抜き取った薪を手にしてハヤテにまたがった。
 案の定、出で湯のそばまでくると、イザヨイが大人しく草をはんでいるのが見えた。
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