禍津姫戦記
「ああ。しかと、見せてもらった。あれがそなたの――ワザヲギの民、本来の力なのだな」

 ハバキは率直に、感じたままを云った。姫夜は驚いたようにハバキを見かえした。
 ハバキは背中に花束を隠したまま、岩に寄りかかった。
 ふわりと甘い花の香りがした。姫夜はいぶかしげにあたりを見まわした。
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